我が家の子供たちも上から7歳・5歳・2歳となりました。「そろそろ性教育の本が欲しいな」と探している時にこれ!!という絵本と出会うことができました。

性について、どう伝えようか悩んでいるお父さんやお母さんだけでなく、自分の体をよく知るために、大人も読んで欲しい、そんなおすすめの絵本です。

フランス発の性を学ぶ絵本

2022年4月に日本で出版されたのは『女の子のからだえほん』です。その後、2023年7月に『男の子のからだえほん』が出版されています。フランスに住む女の子のお母さん2人がクラウドファウンディングで出版した絵本です。

生殖器の構造などの解剖生理、性自認、ジェンダー、多様性、愛と思いやり、思春期までの体や心の成長、赤ちゃんが出来ること、赤ちゃんのお腹の中での成長と出産など日本での相談窓口の紹介がされています。

この本の内容は公益性が認められ、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の認定マークも獲得しています。

セラピスト・ヨガインストラクターが性教育の絵本を勧める理由

私が「こういう本が欲しかった!」と感じるのはニュートラルに詳しく描いているところです。こう考えないとダメ…とかではなく、どんなあなたでもOKなの。それは体だけでなく、心も。

体の成長だけでなく、心の成長、そして赤ちゃんが成長し生まれるプロセスも、女性だけでなく、男性も当たり前のように知って欲しいと思っています。それは、私がアロマセラピストとして、ヨガインストラクターとして、妊娠中のケアを行うものとして、全ての人に知って欲しいと実感する内容です。(別の言い方をすれば、みなさん自分の体のこと、出産までのこと、出産のことを知らなすぎです。)

赤ちゃんをお腹の中で育むこと、それは女性が担うことです。男性は産むことはできないけれどサポートはできます。女性だけでなく男性も…、主体的に自分の体を、そしてパートナーの体を、お互いに慈しんで欲しいと思います。

我が家の子供たちにも、自分だけでなく他者をも尊重できる大人になって欲しいと願いながら性について学んで欲しいなと思います。この本が私の子供達へ伝えたいことをカバーしてくれていると感じます。

『からだえほん』は可愛らしく、スタイリッシュなイラスト

作・絵を担当しているマティルド・ボディのイラストはデリケートゾーンもダイレクトすぎずオブラートに包みすぎず、ちょうど良いバランスです。

日本よりも様々な人種の人々が暮らすフランスだからなのか、色々な肌の色、色々な体格のイラストの子供たちが描かれています。

私は子供と一緒に読みながら、イラストを見て、「色々な肌の色の人がいて、人種というものがあるんだよ」と伝えています。海外の絵本ならではのイラストだと感じます。

『からだえほん』はフランス人助産師が紡ぐ性の絵本

共著のティフェーヌ・ディユームガールは3人の女の子を育てる助産師です。出産を間近にサポートする助産師だからこそ感じる女性の体のことや権利のことを伝えたかったのではないかと感じます。

子供達は性教育の絵本とどう向き合っている?

我が家の3人の子供たち。1番下の2歳はまだ何もわかっていないので、手に取ることもしていません。

1番目の7歳(男)と2番目の5歳(女)は楽しそうに絵を眺めてます。男の子は『おんなのこのからだえほん』を手に取って、女の子は『おとこのこのからだえほん』を手に取って、2人でソファに座りながら…

「ここは違うね」「ここは一緒だね」

と違いを2人でクスクスと笑いながら、そして楽しみながら確認していました。

面白いなぁと感じるのは自分の性ではない方を手に取ること。自分の体はここにあるし、自分にはないものに興味を持つ…そりゃ、当たり前にある好奇心だなって思います。

性教育の絵本は本棚に置いておくだけでOK

この絵本は興味が湧いた時に手に取れるようにしておくだけで良いと思っています。

「お母さん、読んで」と言ってくる時期もあるし、本棚に眠っている時期もあります。(今は買ってから半年ほど過ぎているので本棚で眠ってます。)

これからきっと、体も心も大きくなってきた時…お友達との違いに直面した時…思春期を迎えた時…この絵本を読んで知識を得ることで安心することがあるのじゃないかなと思います。

親に詳しく聞くのが憚られる時もあるでしょうから、そっと本棚で佇んでいてくれたらなと思います。

性教育の絵本で大人も知って欲しい、自分の体や性のこと

私はセラピストであり、インストラクターなので色々な体の悩み、心の悩みをお客様とお話しします。

そして感じるのが、自分の体の事をあまり知らないし、気づいてもいないという事。私がもっとお客様に知って欲しいなと思うのが「性」のことです。

更年期、尿漏れ、生理の悩み、骨盤底筋力の低下を感じるなら性教育の絵本を読もう

女性だけでなく、男性もなのですが、生殖器にまつわるトラブルは人に相談しにくいものです。恥ずかしかったり、自分でもよく分かっていなかったり。

私は色々なお客様とお話しする機会が多いので、「あぁ、そういう悩みは多いよね」とか「ある、ある。」と思うものですが、ご本人にとっては当たり前のように話すトピックスではないので深刻になられる方が多いです。

特に尿漏れなど、言い出せなくて、相談もどこにして良いのか分からない人は多い気がします。

尿漏れには骨盤底筋の強化が必要

尿漏れなど排泄のトラブル時に大事になるのが骨盤底筋を鍛えることです。でも骨盤底筋なんて聞いたことないっていう方もいらっしゃいますし、骨盤底筋を口頭で説明しようとすると結構難しいのです。そしてこの骨盤底筋を動かす感覚を伝えるのも難しいのです。

この絵本には骨盤底筋のイラストも良い断面図で載っています。私はこのイラストを見た時に「素晴らしい!」と叫んでました。

特に年配のお客様は自分の性器を触れることも憚られる方も多いので、骨盤底筋を締めたり、緩めたりする感覚を身につけてもらえたらと思います。骨盤底筋をコントロールすることで排泄のトラブルはぐっと良くなりますよ。

私も妊婦向けの動画で骨盤底筋についてお話ししているので、気になる方はチェックしてみてください。

性教育の絵本は子供だけでなく大人も読んで欲しい

この『女の子のからだえほん』と『男の子のからだえほん』は2冊に別れています。
男の子だけの兄弟、女の子だけの姉妹であっても、両方持っていて欲しいと感じます。

性教育の絵本で自分の体を知ろう

小さな子供だけでなく、大人であっても自分の体の事を知らない方が多いです。知らないなかで病気などのトラブルが起こると、とても不安になります。まずは体の事をよく知って、知識を得ることはとても大切です。

自分の体を知ることは自分を大切にすること

性差だけでなくて、同じ性であっても1人1人みんな違う体と心を持っています。自分を知って、相手との違いを認識したり、違いを認めて受け入れいること。それが自分自身を慈しむこと、相手を慈しむことに繋がると私は思っています。

性教育の絵本で「性」のことを相談できる親子関係を育む

性の絵本を親子で読むことで、子どもたちが親に相談しやすい環境が整うのではないかなと感じます。子供が大人へと成長する時に、体の変化だけでなく心の変化も大きくなります。そんな時に、お父さんやお母さんなど身近な人に相談して、安心できる環境がある事を子供達に伝えていきたいと思います。