「ヨガはどのくらいやると良いのですか?」

結構難しい質問です。質問したお客様はヨガをヨガとして捉えているでしょうか?ストレッチとして考えている?クリアな自分に戻ることを考えている?ヨガって言われても、ヨガが何なのかをよく分かっている人は少ないのではないでしょうか。

ヨガとは?

ヨガ=ポーズを取る事、体を動かす事…と感じている人は多いです。

でもヨガはポーズを取るだけなら運動です。ヨガと言わなくて良いはず。

呼吸をコントロールしたり、瞑想をしたりすることもヨガの一つです。食事を気をつけたり、話す言葉を気をつける事もヨガの一つです。

ヨガをどのくらいやったら良いのか?という質問のヨギー(ヨガをする人)が出す答えは…

生活全体がヨガだから常にヨガの心で生活している。やったりやらなかったりではない。

です。壮大すぎますね。でも、もしあなたがそんな気持ちで毎日を過ごせていたら、立派なヨギーです。アーサナを行う時間があるか、ないかがヨガではありません。

ヨガを始めるきっかけは?

ヨガに興味を持って、やってみたいと思うキッカケは何でしょう。

  • 運動不足だから
  • 肩こり、腰痛があるから
  • 痩せたいから

これだけではないと思いますが、こんな声が多いです。

ヨガは体を動かして健康に良さそう!と言う事は伝わっているようです。

私も最初、ヨガを始めた理由は「仕事が忙しくて精神的に疲れてる。体を動かしたいけど激しい運動はムリ」でした。ゆったりとしたヨガの動きは運動神経の鈍い私にとってピッタリで、すぐにヨガの楽しさに触れたのを覚えています。なんかヨガのレッスンに参加した後は気持ちが良い…と感じてました。

ヨガは気持ちが良い

ヨガを始めて体を緩めると気持ちが良い事に気がつきます。普段の呼吸である「吸って、吐いて…」をうまく出来ていない事にも気がつきます。

体が柔らかくなったり、硬くなったり、変化している事にも気がつきます。「疲れたなぁ、もうこのまま家に帰っちゃいたいなぁ」と思いながらも、ヨガクラスに参加した後になんだかとってもスッキリしている事も実感します。

体が緩んで、呼吸が深くなって、心がスッキリしてる!

ヨガって何なのか良く分からないけど、やってみると気持ちが良くなる自分が落ち着いていくことは実感される方は多いのではと感じます。

ヨガは心を伴うもの

ヨガとストレッチ・運動の大きな違いは…

心に集中することです。

ただ何となくやっている…のではヨガのポーズをとっていてもヨガではありません。心、ここにあらずでヨガクラスのポーズをトレースするだけでは、心が伴っていなければヨガをやっているようで、それはヨガではありません。

ヨガクラスでヨガを行うメリット

ヨガのクラスでヨガを行うことの最大のメリットは自分の心や体に集中する環境を提供されることです。ヨガのクラスの最中は自分の体に、呼吸に、心に、最大限の集中を向け続けます。集中できるようインストラクターもそう導く言葉がけをします。

インストラクターや他の生徒が集中しているヴァイブレーションが、共に行う他の生徒へと共鳴し、皆が集中しやすい環境へ導かれます。

ヨガの大師匠はシヴァ神

ヨガは1人でもできるけれど、集団で行う良さがここにあります。実際にヨガは師弟関係を結んで行うものです。インストラクターの私には生徒さん達もいますが、私を導いてくれる多くの先生がいらっしゃいます。その先生にも先生がいます。脈々と続く先にはシヴァ神(ヨガの神様)がいます。

1人で行うヨガも大事だけれど、自分を導いてくれる師の存在もとても大切です。

太古から続くヨガと現代のヨガ

ヨガは数千年前から行われています。運動不足だから、肩こりだから、痩せたいから…その人たちが現代と同じ理由でヨガをしているわけではありませんでした。修行の為に行われていたヨガ。体を動かすのではなく瞑想が中心でした。

現代の人に太古のヨガをやりましょう!というの無理があります。ストレス社会である現代の人々が抱えるトラブルにヨガの本質(心の部分)を理解しながら行う事がとても大事だと考えています。

心のヨガ・ラージャヨガの八支則

体の調子が良いと気持ちが落ち着く。体の調子が悪いと気持ちが乱れる。その逆もしかりです。心と体は一緒だから。

ヨガには練習を進める8つのステップ・八支則(はっしそく)があります。生活から始まり、体→呼吸→心の順に深めていきます。

生活習慣 Yamaヤマ(禁戒)とNiyamaニヤマ(勧戒)

日常生活についての心がけをヨガではヤマ、ニヤマで教えられています。

  • 8つのこういう事はしていけませんよ、という禁止事項のヤマ
  • 5つの積極的に行いましょう。というオススメ事項のニヤマ

これは日常生活についてなのでリタルダンドのヨガクラスでは行いません。

体を動かすAsanaアーサナ(座法)

一般的にヨガをする。というと、このアーサナ、ポーズを取る事です。

体を動かしたりバランスをとっている写真をよく見かけますね!たくさんのポーズの種類があり、簡単そうなものから難しそうなものまで沢山のポーズがあります。

ヨガを続けて感じる事は簡単そうに見えるポーズが実は一番難しいと言うこと。ただ立つ、ただ座る、ただ寝転がる。出来ない事はないけれど、きちんと意識してポーズをとるのはとても難しいです。ヨガのポーズを取れば取る程、ポーズの奥深さに気づかされます。そして自分の体への感度が高まります。

呼吸をコントロールする Pranayamaプラナヤマ(呼吸法・調気)

体の周りや中には目に見えないエネルギーをまとっています。エネルギーであるプラーナを大きく、広げて、拡張していく為の調気法です。目に見えない物を捉えるのは難しい事です。感覚が鋭い方、そうでない方。感じ方は人それぞれです。

ヨガに興味がない方はこういった実体のない物に対して懐疑的かもしれません。ヨガを続けている方は、アーサナだけでなくプラナヤマを行う事で体、頭がクリアになっていく感覚を感じられるようになるでしょう。

4つの瞑想ステップ

  • Pratyahara プラティヤハラ(制感)
  • Dharana ダラナ(集中)
  • Dhyana ディヤーナ(瞑想)
  • Samadhi サマディ(三昧)

この4つが全て瞑想についてです。

瞑想は心の科学とも言われますが心を捉える事は非常に難しい事です。心を無にする事は到底簡単にできる事ではないです。簡単に出来てしまったらヨガを行う必要はないかもしれません。

心は1日の中で何百万もの思いが現れては消えていきます。どんな事が浮かんで、どんな考えに捕われているかは意識しないと沢山の感情と考えの波にただ飲み込まれてしまいます。

瞑想を行うことで心の動きを制御して、心が動いたとしても(動くのは当たり前です。)、どんなふうに動くのかを見つめる。自分自身を客観的に見ていきます。これは、とても難しいことです。少しずつ繰り返して今の自分を知る事からスタートしましょう。

Pratyaharaプラティヤハラ(制感)

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚
私たちの体にある感覚器官で感じる様々な情報を客観的に感じ、見つめ続けます。感覚を制御すること。それがプラティヤハラです。

Dharanaダラナ(集中)

感覚を客観的に捉え続けると1つの感覚に集中し始めます。プラティヤハラが上手くいき始めるとダラナの状態に入ります。

Dhyanaディヤーナ(瞑想)

集中が続いた状態がディヤーナです。

Samadhiサマディ(三昧)

ディヤーナが続くとサマディの域に達します。ここまで到達するにはかなりの修練が必要でしょう。

人生全てがヨガ

ざっとではありますがヨガが意味する行為をお伝えしてみました。ヨガは動くだけでなく人生全てがヨガであると考えてみてください。ヨガを経験した事がない方でヨガの生活をスタートすることが不安な方もいるでしょう。

体を動かす事に自信がなくても体だけが大事なのではない事を分かって頂けたら嬉しいです。そしてヨガに興味があれば、ぜひトライしてみて下さい。

リタルダンドのヨガホームページ