子供が生まれる前に作っていた自家製ベーコン。生まれてからは忙しくて市販のベーコンを使ってました。
お客様からベーコン作りが上手くできない…というお声を頂いて、もう一度作ってみることに。やっぱり手作りは無添加で香りも最高。これがベーコン!っていうベーコンが食べられます。ベーコンからでた旨味エキスと脂が副産物として得られるのも手作りのメリットです。せっかく作るベーコンだから、失敗しないように作り方を丁寧にお伝えします。

手作りなら無塩せき・無添加のベーコン
ベーコンやソーセージは特に添加物の多い食品です。保存性を良くするため、見た目を美味しそうにさせるために色々なものが添加されています。
市販のベーコンを開けると液体が滴るのもありますよね。本来、保存性を高めるには水分は大敵。
でも毎回手作りも大変なので、分かりながらも市販のベーコンも助かる存在です。
無塩せきとは
食材の発色をよくするための発色剤を使用していない事を指します。
添加物の考え方もそれぞれあるのですが、保存性を高めるため、美味しく見せるため、香りをよくするために添加されたものだと考えて頂くと良いと思います。
今回の無添加はベーコンを作るに当たって必要のないものは入れないという意味です。
ハーブと塩で美味しさ+保存性アップ
料理にハーブを使うメリットはたくさんあります。
- ハーブの香りで食欲&消化力アップ
- ハーブの成分で保存性が高まる
- ハーブの成分が風味を豊かにして美味しくさせる
お肉に塩をふる理由
- お肉の旨みを引き出すため
- お肉の余計な水分を出すため
無添加でもハーブ利用と燻煙で保存性アップ
ベーコンを丁寧に作ることで肉の保存性がアップします。
- ハーブを利用することで腐食を抑制されます。
- 塩を刷り込むことで、肉の余分な水分が排出されて、水分が少なければ腐敗は進みにくくなります。
- 燻煙することで、さらに余分な水分が飛びますし、煙を纏うことで雑菌の繁殖が抑制されます。
無添加ベーコンの材料
2016年に作ったものは豚肩ロースでしたが今回は豚肩ロース・豚バラの両方を作ってみます。お好みのお肉で作ってみて下さいね。

- 豚肩ロースの塊肉
- 豚バラの塊肉
- 塩 塊肉の2%
- 好みのハーブ
- こしょう
オススメのお塩は「ひんぎゃの塩」です。お客様から勧められて使い始めてから愛用してます。さらさらしている塩で使いやすいです。手にも付かないし、満遍なく振れます。
私が愛用している寝かせ玄米のお店・結わえるオンラインストア本店でもひんぎゃの塩は販売されています。玄米との相性もGOODです。
下味後(7日後)に燻す時に必要なものは
- ・燻製チップ(今回は桜です。)
肉と相性の良いハーブ

ローリエ
煮込み料理にはローリエはマスト。お料理好きなら必ず持っているハーブでしょうし、色々な料理に使えるので持っていて損のないハーブです。
煮込みやスープ、肉の下味に使います。臭みを消して、ハーブの良い香りで食欲を増進させます。
ローズマリー
ジャガイモ料理、肉料理にはローズマリー。ドライでも良いし、フレッシュでも。ローズマリーは育てるのも簡単なので庭先や鉢植えで一株育ててみるのもおすすめです。お水をやりすぎないように注意して育ててあげましょう。
今回は肉料理ですが、お鍋にゴロっとしたじゃがいもをとローズマリー2枝、揚げ油をヒタヒタに入れて、冷たい状態から加熱して揚げていくと美味しいフライドポテトが完成です。
コールドスタートなので油が跳ねる心配もないし、ローズマリーの香りが着いたフライドポテトで最高に美味しいです。
エルブドプロバンス
エルブドプロバンスはタイム、ローズマリー、バジル、タラゴン、ラベンダーの花がブレンドされています。あまり料理にハーブを使わない人が試してみたい時にミックスハーブがあると便利です。
ローズマリーがここにも入っているのだけれど私は料理にたっぷりローズマリーの風味をつけたいので追加でローズマリー単体を入れています。
私はiHerbのsimply organicというシリーズのスパイス&ハーブを愛用しています。このシリーズはたっぷり大容量でクオリティーも高いのが嬉しいです。通販のみになるので、手軽に楽しみたいならマスコット社がオススメです。使いやすいサイズではないかな?と思います。私には小さ過ぎて…よく使うハーブやスパイスはもっと大瓶じゃないと足りません…。
下準備
- 塊肉の水分をしっかりとペーパータオルで拭き取ります。
- 肉に塩・こしょう・ハーブを擦り込むようにして下味をつけます。
- 最後にローリエを上にのせて保存容器へ入れて7日ほど置いておきます。


ハーブの防腐効果は絶大
今回、すっかり作るのを忘れていて、2週間程冷蔵庫へ入れっぱなしでした。塩だけまぶした塊肉は逝ってしまわれましたが…ハーブをまぶしたベーコン用の肉は大丈夫でした!でも…多分2週間がギリギリじゃないかと思います。
塩抜きと乾燥
- 下味のついた塊肉を水でざっと洗います。
- ボウルに水をはって、1時間ほど塩抜きします。
- 塩抜き後、ペーパータオルで水分をしっかり拭き取ります。
- 1〜2時間、直射日光が当たらない場所で表面を乾燥させます

私はベランダに置いておきました。

ストウブ、ル・クルーゼでベーコンを燻す
2つの塊肉…意外と大きくて1つの鍋で出来ませんでした。
今回使った鍋はストウブとル・クルーゼ。ル・クルーゼで作るのは初めてです。どちらも煙が漏れることなく、上手に燻製ができました。

鍋に燻製チップと肉をセットする

- 表面が渇いた肉と燻製チップを用意します
- 鍋の底に燻製チップを1cmくらいの厚みで敷きます
- キッチンペーパーもしくはアルミホイルを敷きます
- その上に肉を入れてます。
できれば鍋肌に肉が付かない方が良いです。
お客様から網を置いて油を落とすと思っていた。というお話を伺いました。ストウブやル・クルーゼの鍋で足の低い網を入れようとしても鍋の蓋に付いてしまうので「キッチンペーパーを敷く」で大丈夫です。
いぶし終わった後にペーパーの上に美味しいエキスが残るので、キッチンペーパーに穴を開けないでくださいね。肉の水分がチップに落ちるのも良くないです。
豚肩ロースはストウブ20cm鍋

豚バラは細長いのでル・クルーゼ24cm鍋

火入れ
鍋に蓋をしたら火をつけます。最初は強火で鍋全体を温めましょう。煙が出てきたら弱火に変えます。2時間ほど燻しました。
時間は目安です。
肉の深部温度が分かるように温度計があると便利ですが、串を刺してみて、透明な液体が出てくるならOKです。
ガスコンロの安全装置
最近のガスコンロは安全装置がついているので勝手に火が止まってしまいます。
我が家のガスコンロはハーマンのplus do。真ん中の一番火力の弱いコンロ(ストウブ20cm・豚肩ロース)は2時間つけっぱなしでも大丈夫でした。一番弱い火で2時間だったので出来上がりの色も薄めです。
手前2個のコンロは左側が高温ボタンがあり、高温ボタンを押すと火が切れにくくなります。でも一定時間経つと「ピーっ」と鳴って火が消えます。そうすると右側のコンロの弱火で数十分加熱して…をくり返しました。
手前2つの弱火は弱火と言ってもそこそこです。出来上がり(ル・クルーゼ24cm・豚バラ)は香ばしい色になりました。
出来上がりの肉の深部温度
2時間ほど燻した後の深部温度を測りました。どちらも90度近い温度になっているので安心です。
ストウブ20cm・豚肩ロース
極弱火だったストウブ20cm・豚肩ロースは83度

ル・クルーゼ24cm・豚バラ
少し強めの弱火だったル・クルーゼ24cm・豚バラは87度
完成
出来上がったお肉を取り出してそのままスライスして食べても美味しいです。
粗熱を取ったら、保存容器に入れて冷蔵庫で保存して下さい。1週間くらいを目安に使い切ると良いと思います。

ストウブ20cm・豚肩ロース
色味は淡いけれども、桜の香りはしっかりついています。

ル・クルーゼ24cm・豚バラ
ベーコンらしい見た目です。
日本でベーコンといえば豚バラ。
油が程よく落ちて、さっぱり食べられます。

副産物の肉汁と脂も極上
下に溜まっている肉汁と脂。これがとても美味しいエキスです。
この油で炒め物をすれば燻製の香りが食欲をそそります。エキスはスープにいれると、とっても美味しくなります。
私は大体、このエキスと油を使ってポトフを作ります。もったいないのでベーコンは少なめ…ベーコンが少なくても、このベーコンの副産物で香りも味も豊かなスープが出来上がります。
いぶし終わったチップと鍋
片付けの時にチップを見てみると、ストウブの方はまだ綺麗なチップでした。ル・クルーゼはそれなりに焦げているなという感じです。
ストウブ20cm・豚肩ロース
もう少し火を強めても良かったな…と思います。
ストウブ鍋の内側は黒いので汚れが目立ちません。気づきにくいけれど汚れているので、しっかり洗って下さいね。

ル・クルーゼ24cm・豚バラ
良い色のチップ。十分に火が当たっていたと思います。
鍋の内側を洗って見ると綺麗にするのに、しっかり洗わないと汚れが取れませんでした。特に我が家はル・クルーゼでご飯を炊くので重曹を入れて火をかけて、もう一度洗って綺麗にしました。

香り良し・味良しの無添加ベーコン
数年ぶりに作った手作りのベーコンは本当に香りがよく、美味しかったです。子供達にも「燻す」という事がどういう事かを伝えられたのも良かったです。食べ物を美味しく、そして保存性を高める調理の仕方があるという事を学んで貰えました。時間もかかるし、面倒でもあるんだけれど、手作りして美味しいものを頂く醍醐味も楽しめたと思います。