リタルダンドのヨガインストラクター3人とも、冬の季節は喉のケアに気を使っています。乾燥する季節はもれなく全員、声帯炎に悩まされるのです。

そんなヨガインストラクターたちが行う喉ケア方法をお伝えします。

声帯炎は声を出さなければ治る

声帯炎なので喉の奥が痛くなるわけではなく、もう少し先に進んだ気管より少し上の場所に炎症が起こります。炎症が起こると声が枯れたり、声が出なくなったりします。喉が痛いわけではないのが特徴でしょうか。

対処法としては

「声を出さないようにする」

と言われるのですがヨガインストラクターにとって、それは無理な話です。

声帯炎のケアは蒸気吸入

声を出さないヨガの先生なんているわけありません。声を出さない対処法ではなく、私たちは喉ケアを徹底して行うようにしています。

その方法は蒸気浴です。声帯炎でなくても、ちょっと喉の調子がおかしいな?と思った時、すぐに蒸気浴を行ないます。

声帯炎にのど飴やうがいは意味がない?

声帯や気管支が炎症を起こしている時にのど飴を舐めたり、うがいをしてもあまり良くなりません。のど飴やうがいは、喉のいちばん手前の部分へアプローチするケア方法だからです。

声帯や気管支はもう少し奥にある下咽頭の部分です。下咽頭は空気が通過する管です。

のど飴のエキスは食道(食べ物が通過する管)を通過していくので、声帯炎や気管支炎まで進むとあまり意味を成しません。

もちろん、うがいをして更に風邪を引かないようにする…とか飴を舐めて咳を出さないようにする…っていうには良いです。けれど空気が通過する気管へうまくアプローチするには蒸気を吸うことが大事です。

細かい蒸気が大量に喉の奥へ流れていきます。

コップを使ったアロマテラピー・蒸気吸入法

アロマテラピーの楽しみ方の一つとして蒸気吸入法があります。エッセンシャルオイルの芳香成分を積極的に吸い込む吸入法です。

エッセンシャルオイルにはそれぞれの植物がもつ薬理作用があります。例えば、咳で苦しいのであればユーカリやティートリー、タイムなどの精油成分を吸い込むことで鎮静させていく事が期待できます。
それに加えて蒸気を吸い込むことができるので気管支を潤わせることができます。

ユーカリ精油

ユーカリには種類がたくさんあります。
ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアータ、ユーカリ・シトリオドラなど
種類によって効能も様々です。

鼻や喉の炎症、痰切れをよくしてくれるのはユーカリ・グロブルス。
抗菌作用や消臭作用などグロブルスを部屋に焚くことで感染症の予防にもつながります。
喉への効能を目的に選ぶならグロブルスにしましょう。

香りの良さで選ぶならラディアータやシトリオドラの方が嗅ぎやすいかもしれません。

香りは好みで大きく分かれます。
ラディアータはユーカリらしい香りだけれど、香りがマイルドです。
シトリオドラはレモンっぽい香りなので嗅ぎやすいけれど、喉への作用は期待できません。

呼吸器ケアとして使用するなら
グロブルス:◎
ラディアータ:○
シトリオドラ:×

ティートリー精油

ティートリーが自生するオーストラリアの先住民たちが日常的な薬として使用していた植物です。
傷を癒す効果や感染症の予防に効果的です。抗菌性・抗真菌性の高い成分が多いことから風邪やアレルギーの時に芳香浴をしたり、火傷や切り傷に塗ることで治癒を早めてくれます。

タイム精油

タイムも種類が多い精油です。
タイム・チモール、タイム・ゲラニオール、タイム・リナロールなどアロマテラピー専門店に行くと色々な種類のタイムの香りを手に取ることができます。

チモール、ゲラニオール、リナロールというのは成分の名前です。何の成分が多いかによって効能が異なります。

タイム全般が抗菌作用が非常に高い精油です。皮膚感作(皮膚刺激が強い)を引き起こすこともあるので肌が弱い人へ、精油を直接肌に塗るトリートメントは向かないけれど、鼻から成分を吸収させる芳香浴でのみ使用する場合があります。

特にチモールは刺激の強い、薬臭い精油ですが抗菌性において、非常に高い効果が期待できます。私も喉対策のためだけにタイム・チモールを持っています。喘息や咳に悩まされやすい方はタイム・チモールがオススメです。

リナロールはフローラルな香り、ゲラニオールはバラの様な甘い香りでどちらも嗅ぎやすい香りです。

リンク

タイム・チーモールは生活の木で販売していたのですが、現在は生産終了してタイム精油として1つだけ扱っているようです。

生活の木
の現在販売しているタイム精油の分析表を見るとチモール:約15%、リナロール:約26%
なのでバランスが良いといえば良いのかも知れません。

フレーバーライフニールズヤードレメディーズはタイム精油の取り扱いナシ。きちんと扱っているのはプロナロムくらいなようです。残念…。

プロナロムの成分分析表を見ると

  • タイム・チモールはチモール約50%、リナロール:約4%
  • タイム・リナロールはチモール約0.6%、リナロール約73%

明確に違う精油だと分かりますね!

精油を購入する時の注意点

精油は出来るだけ専門店で購入されることをおすすめします。特にユーカリやタイムは種類が様々あるのでただ単に「ユーカリ」「タイム」と商品名があるだけではどんな成分を含む精油なのか分かりません。

精油の価格が決して安価ではないのは、成分分析を行うからです。この成分分析を行うからこそ、どんな成分がどのぐらい入っていて、どんな効果が期待できるのかが分かります。

購入する精油には学名、産地、抽出方法、抽出部位が書かれているかチェックしましょう。


アロマ蒸気吸入法のやり方

用意するものはコップ、精油、お湯です。

  • コップの半分くらいまでお湯を注ぐ
  • 好みの精油を1滴垂らす。
  • 立ち上がってくる蒸気を口を広げて吸い込む

【注意】
蒸気の量が減ってきたら、熱湯を足して蒸気を追加します。
この時に精油は足さないでください。

アロマ蒸気吸入法の注意

目に精油成分の入った蒸気があたるととても染みます。粘膜系に刺激があるので、最初から思い切り吸い込まずに蒸気から距離をとって、ゆっくり確かめるように吸い込みます。

目を閉じて行うか、
目の下まぶたのあたりで片方の手のひらを下向きにして
目への蒸気侵入をカットするようにカバーしましょう。

精油を高濃度で長く吸い込むと気分が悪くなることがあります。精油は追加したりせず、1滴(カップに誤って2滴入ってしまったらそれでOK)で行いましょう。

精油の刺激は思ったよりも強力です。気をつけて行なって下さいね。精油の入ったお湯を飲まないように気をつけて下さい。日本で精油の飲用は薦められていません。

ネブライザーを使った蒸気吸入法

私は頻繁に蒸気吸入を行うのでネブライザーを購入して使っています。ネブライザーの吸入で精油は使用できないので、使用説明書にあるように塩水を使って蒸気を吸い込みます。

塩水を使うことで体の体液の濃度に近くなり、蒸気を吸ってもツンとしません。精油をネブライザーに入れると詰まって故障する恐れがあるので入れても大丈夫かな?と思わずに塩水だけにして下さい。

ネブライザーでの吸入はかなり細かい蒸気が大量に出てくるので喉の奥がしっとりする感覚が感じられます。精油は入りませんが、適度な温度の蒸気を5〜10分ほど吸入できるので喉の奥まで潤い、喉の不快感がかなり和らぎます。

小さな子供でも簡単に吸入できるのも大きなメリットだと思います。

私が使っているのはそんなに高額なものではないので、薬は入れられないものです。誠子先生は声帯炎で耳鼻咽頭科へ通院していたりしたので、お薬を入れられるネブライザーを使っているようです。ネブライザーを買ったら?と勧めてくれたのは誠子先生の耳鼻咽頭科の先生です。それをきっかけに私たちは買いました。

小さな子供も咳をしだしたらネブライザー

子供も大きな風邪はひかなくても咳やくしゃみなど小さな風邪をどこかから貰ってきます。そして咳をしだすと結構長引くのが子供の風邪です。元気なんだけど咳してる…そんな感じのご家庭も多いのではないでしょうか?

我が家の子供たちにも積極的な蒸気吸入を行なってもらっています。ちょっとおかしいかな?と思った時や咳で苦しくて眠れない時など子供の体調管理にも役立っています。

子供も蒸気吸入をしてのどケア

呼吸器ケアで風邪やアレルギー対策に

蒸気吸入や鼻うがいで呼吸器系をきれいに保つことで冬に起こりがちな感染症やアレルギーの対策になると思います。

蒸気を吸う、鼻の通り道を洗浄する、空気を植物の香りできれいにする。色々な方法があるので、病気にならない予防をしっかりしていきたいですね。

鼻うがい(鼻洗浄・ジャラネティ)で風邪予防&免疫力アップ

頻繁に喉や鼻の不調があるのならネブライザーを購入するのが本当にオススメです。調子悪いな…と感じた時にササっとケアができるのは不調に対して先手を打てて良いと思います。精油の香りを焚くのも、日常的に空気を清浄化して病気の予防に役立ちます。